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2019-06

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佐藤青南「たとえば、君という裏切り」

  yjimage[7]


病に冒されたベストセラー作家に最期のインタビューをするライター、アルバイト先に現れる女子大生に恋をした大学生、公園で出会ったお姉さんから遠い国のお話を聞くのを楽しみにしている少女―彼らが好きになってしまった“あの人”はいつも自分ではない“誰か”を想っていた。
三つの物語は時を越え、“ある人”の深い愛に結実する。
あまりに切なく、震える純愛ミステリー!




読みやすくて面白かった。
三人の語りが最後に一つにつながる形式で、こういうの、あれこれ想像しながら読めるから好き。

仕掛けの一つはすぐにわかったが、あの人はアノ人だったのか!という驚きがあり最後まで楽しめた。
そっちが主役!?っていうね。

こういう理由でここまでする?というのはある。
(純愛ってのがこっぱずかしいし信じられない)
まぁ、若者向けなのかな。


だんだん時を遡り、すべてが明らかになる。
そしてすぐに前に戻って読み返す、という好きなパターンの作品だった。

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矢月秀作「紅い鷹」

yjimage[1]


工藤雅彦は高校生に襲われていた。母親の治療費として準備した三百万円を狙った犯行だった。
気を失った工藤は、翌日、報道で自分が高校生を殺したことになっていることを知る。
匿ってくれた小暮俊助という謎の男は、工藤の罪を揉み消す代わりにある提案をする。そのためには過酷なトレーニングにパスしろというのだが……。
工藤の肉体に封印された殺し屋の遺伝子が、今、目覚める!




確かにちと古臭い。
(1999年に刊行された作品の焼き直し)

殺人の報酬が100万(の6割)とか、割に合わなさすぎでしょ。
その他もろもろゆるゆるな設定~

黒幕もわかりやすすぎだし、そもそも裏表紙のあらすじで一部ネタバレしてる!

派手なアクションは相変わらず。
暴力シーンも多い。

けど単純明快でさくさく読めて気持ちいい。
好きだな~、矢月さん。

レビューを見ると辛口が多いが総合的には楽しめた。

葉真中顕「ブルー」

  


その怒り、その悲しみ、その絶望。
なぜ殺人鬼が生まれたのか?
平成30年間の文化・風俗を俯瞰しながら、児童虐待、子供の貧困、外国人の低賃金労働など、格差社会が生んだ闇に迫るクライムノベル。



平成の時代にあったこと、時代背景を取り入れつつ、児童虐待や無国籍児、外国人労働者の劣悪な労働環境等の社会問題を扱った濃密な作品。
読んでる間、物語の進行の割に時代背景の部分が多すぎると思ったりしたのだけど、これ一冊で平成の時代を振り返ることができるという意味で葉真中顕作品の集大成と言えるのでは。

登場人物が多く複雑で、メモしながら読んだ。
(結果的にどのエピソードも強烈なインパクトがあり自然と頭の中に入ってきたため、メモはあまり必要なかったのだが)


子供の虐待・貧困・ネグレクトは悲しくやりきれない気持ちになる。
どんなひどい親でも子供は親を慕うもの。
そのことが悲しい。


一つの時代を生き抜いたブルー。
確かに彼は多くの人を殺し、償いきれない罪を犯した。
でも・・・他にどんな生き方ができただろう?
彼のおかげで助かった命もある。
そのことが救いだった。



「人殺しの息子と呼ばれて」




凄絶ゆえに当時報道も控えられた「北九州連続監禁殺人事件」。
その犯人の息子が、25年の凄絶人生を語る。
テレビ番組「ザ・ノンフィクション」の内容に、後見人への取材などを追加し単行本化。




北九州連続監禁殺人事件の犯人・松永太と緒方純子の息子へのインタビューを中心とした内容。
二年前にテレビ放送があったとは知らず、後からこの本の存在を知り、ずっと読みたかったのです。

戦後の日本で最悪の凶悪事件であるあの事件は、忘れようとしても忘れられません。

事件当時10歳だった長男。
二人の子供であるし(事件中の)立場的にもっとマシな状況だと思ってたけど、実際はとても過酷でした。
婚外子のため無戸籍で学校に通わせてもらえなかった。
親から優しくされた記憶、楽しかった記憶がなく、常に父親の顔色を窺う日々・・・
少しでも松永の気に入らない行動をすると、すぐに通電されてしまう。
常にビクビクする日々だったそうです。

親が逮捕され保護されてからも平穏な日々とは程遠い。
自分も事件の被害者であるにもかかわらず、親が稀代の犯罪者ということで白い目で見られてしまう。
自身、父親に似ていると分析しながらも、「自分は父親のようにはならない」と父親を反面教師にしているところは、とても強い人だと思う。

しっかりと自分の思いを分析して伝えることができる、頭脳明晰な人という印象。
自分と似た境遇の人の相談相手になりたいという夢を持って一生懸命生きている彼。

壮絶な人生なのに、今は「自分にしかできないこと」をしたいという思いを持ちしっかりと歩んでいる姿に胸を打たれました。

富樫倫太郎「スカーフェイスⅡ デッドリミット 警視庁特別捜査第三係・淵神律子」

  


怯まない刑事・淵神律子を名指しで、警視庁に出頭してきた中年男。
彼のノートパソコンの画面には、生き埋めにされた女性の姿と、48時間後に酸素が無くなるカウントダウン表示が…。
『日刊ゲンダイ』掲載を加筆し文庫化。




過去の事件も現在の事件も超過激!
想像しただけでおぞましい。

原因となった過去の事件がひどすぎる。
奴らは人間じゃない!
復讐したい気持ちは当然のこと。

でも、だからといってこれはない・・・。
富樫さんらしい?とてもハードな内容だった。


変なキャラ、と思っていた由紀にも事情があり、律子を恨む気持ちもわからないではない。
だけど他に復讐すべき人がいるんじゃない?
よりによってなんで標的が刑事?

と思ったら、オペレイターに操られていたんですね~
一作目をほとんど覚えてないから、オペレイターと言われてもピンと来ないけど(苦笑)


結局律子も捜査で手いっぱいで景子さんのこと放ったらかしで・・・・・可哀想。
とばっちりでかなり怖い思いをしたはずだし、今後二人の関係も変化するのか!?←そこ?(笑)


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プロフィール

きさらぎ

Author:きさらぎ
 
ミステリ・サスペンス小説が好き。
あと医療系も。

敬愛する東野圭吾さんの作品は、エッセイも含めコンプリートしました。
中でも一番のお気に入りは
「白夜行」♪

 

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