2018-05

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久坂部羊「祝葬」

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自分の死を暗示するような謎の言葉を遺し、37歳の若さで死んだ医師・土岐佑介。
彼は生前、代々信州を地盤とする医師の家系である自分たち一族には「早死にの呪い」がかけられていると語り…。
『メフィスト』掲載を単行本化。




いつものパロディと違い、ミステリ色濃いめ。
短命な医師一族を軸に据えた物語展開も目新しく、面白かった。

最初の頃のシリアス路線復活かと思いきや主張はいつもと同じ。

「行きすぎた医療は不幸なだけ」
「治る病気は何もしなくても治るし、治らないものは何をしても治らない」


つまるところ、これが言いたかったのでしょう。

皆が皆、長生きしたくてしてるワケじゃなく、死にたいのに自分では死ねない状況の人もいる。
死ぬのは怖い。
できるだけラクに逝きたい、っていうのが多くの人の願いだと思う。
私も、全身チューブにつながれて苦しむ最期はいやだな~

そう考えると、この早死に家系の土岐一族は幸せなのかもしれない。
ラストの「忌寿」を読むと特にそう感じる。
それでこのタイトルにつながるのでしょう。

著者のペンネームの元となった久坂葉子さんの名前とか、多分佐藤愛子さんがモデルと思われるキャラなども出てきて、ちょっとニンマリ。

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映画「ラプラスの魔女」

やっと観ることができたー!!
原作のおさらいをしてこの日に備えていました。


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この作品、非常に東野圭吾さんらしいお話で、理系全開なんです。
硫化水素のこととかダウンバーストのこととか。

原作を読んでも理解できなかった空気の流れが、紙ひこうきを使ってわかりやすく描かれていました。
そういうのは映像ならではですよね。

ああいう計算って、本当に可能なのかなぁ?
化学の不思議、そして、未来を予測できたら人は幸せになれるのか!?
そんなメッセージを込めた作品でした。


配役も絶妙で、特に櫻井くんが教授役というのがすごくイイ。
福山ガリレオさんばりに授業をするシーンもあって、流れるような授業が、いかにも頭よさげ~
生徒は置いてけぼりっていうね(笑)

あと、広瀬すずちゃんが意外によかった。
ただ可愛いだけ、という私の偏見を覆してくれました。

それから玉木宏さん。シブーい!
熱心に捜査をする刑事の役だけど、彼の努力が・・・・・

トヨエツ演じる甘粕才生は、狂気を感じさせる熱演でした。
終盤に登場した時は、水木一郎かと思ったよー(笑)

福士蒼汰くんは・・・ファンの方、ごめんなさい。
彼がこの役である意味は、父親役のトヨエツと(若い頃の容姿が)似ているという点と、彼の人気の二点だけのような・・・
まぁ、あまり出番がないせいでもありますが。


一番思ったのは、
今の映画って音響効果がすごいんですね。

櫻井くんの声が、あっちからもこっちからも聞こえる場面があって、そこ、震えました。
すごくファンというわけではない。
脳のあちこちから響いてくるような、耳元で囁かれてるような、不思議な興奮!


でもね、翔さん、もちょっと顔をシェイプアップしてほしい。と思いました。
教授室でお菓子食べ過ぎの設定なのかしらん。←怒られる


阿部智里「弥栄の烏」

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失った記憶をさがし求める日嗣の御子・若宮。
真赭の薄は、浜木綿の決意に衝撃をうける。
宿敵・大猿との最終決戦、八咫烏の軍を率いる参謀・雪哉のとった作戦とは-。
八咫烏の世界を描くファンタジー長編、シリーズ完結。




このシリーズは説明が多くてなかなか物語に入っていけない・・・
独特の世界観なので約束ごとがたくさんあるのです。

ただ今回は、デジャヴ???って思うくらい知ってる出来事が出てくる~
それもそのはず、「玉依姫」と対になってます。
第1話の「烏に単は似合わない」と第2話「烏は主を選ばない」が、同じ話を別目線から描いているのと同じ仕組み。

であれば、「玉依姫」から間を置かずに読みたかった。
いろいろと忘れてることも多くて・・・
たとえば、山神の怒りによって死んだ重要キャラがあの人だった!・・・・・という衝撃を、さほど味わえなかった。

このことは、雪哉人間性烏性に大きく関係し、読者にもジワジワと効いてくるんですよね~
あの出来事で雪哉が変わってしまった。
ラストで少し救われた感はあるけれど・・・

あと、ヨータって誰だっけ?
あそこら辺でチラッと出てきたな、というのはうっすら記憶にあるんだけどハッキリ思い出せず、喉に小骨が刺さったよう・・・

若宮真赭の薄の印象も、初めとはまったく変わってきている。
また1巻からおさらいしなくっちゃ。

全体的に暗い雰囲気だったけど、「鼻が高い」ことを、烏の世界では「嘴が高い」と言ってるのが可笑しかった。
そこだけニンマリ。


麻見和史「鷹の砦」

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立てこもり事件の犯人は、殺人事件の被疑者として十一係が追跡していた男達だった。
人質のひとりと刑事・如月塔子の身柄交換を要求した男達は、塔子を連れて逃走。
鷹野と十一係は塔子を救い出し、事件の真相を解明できるのか?




今回塔子が人質となり絶体絶命のピンチ!
刑事としてではなく人質として、生命に関わる本能的な恐怖が伝わり、読んでいて苦しかった。

ものすごい緊迫感だったけど、救出されてからは淡々と話が進んでいく。
で、終盤の背景説明がくどい割にあっけない。
なんか、尻すぼみな印象・・・・・

「あの人だったのか!?」のサプライズもあったものの、そもそもの動機はどうなんだ!?


それにしても、鷹野&塔子の凹凸コンビが、裏社会にも噂になってるとは・・・
本人たちはビックリ、読者の私は笑っちゃった。
今後もヘビーな事件に巻き込まれる予感がプンプンします。

巻末には、もはやお約束となった次巻予告!
なんだかんだ、やっぱりこのコンビが大好きなので、次も楽しみです♪


「宮辻薬東宮」

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居酒屋で後輩への評価が先輩と一致したとき、僕は「あの話」を語りたくなった-。
超人気作家5人が2年の歳月をかけて「つないだ」前代未聞のリレーミステリーアンソロジー。全編書き下ろし。




初めタイトルを見て、「なんじゃ、こりゃ?」と思いました。
参加する作家さんの頭文字を並べたんですね。
斬新なタイトルのつけ方!
私、なんだか昔風の建物(~宮というだけで)を想像してました。


リレーの順番が絶妙で、トップの宮部さんでまず引き込まれる。
宮部さんのホラーは安定感がある。
わかりやすい”家モノ”でした。

続く辻村さんのお話は、それに比べて少しわかりづらい。
だけど、もやもやっとして不気味な雰囲気が上手い!
最近、母娘の関係に毒を込めた作品が増えてきましたね。

薬丸さんがホラーとは珍しい!
でもちゃんとホラーでした。
夏目刑事が出てくるだけでファンは嬉しくなる。

上記のお三人は、さすがな内容で大満足でした。


東山さんのはアイディアは面白い。
でも長編向きのネタのような気がする。
ちょっと言葉足らずな部分もあり、もったいなかった。

ラストの宮内さんに至っては・・・
ごめんなさい。
ちょっと何言ってるかわからなかった・・・
苦手なコンピューター関連の話だったのと、最後の話で私の頭も疲れてたってことでしょう。
ラストが初めのシーンと同じ居酒屋だってことはわかりました。


各話の後ろに作家さんのコメントが載っていて、それを読むと、作家さんってアンソロジーがお好きなんですね。
他の作家さんと共通するテーマで短編を書く、というのが刺激になるんでしょうか。
アンソロジーに参加する作家さんを意識しながら楽しんでる感じが伝わってきました。


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プロフィール

きさらぎ

Author:きさらぎ
 
ミステリ・サスペンス小説が好き。
あと医療系も。

敬愛する東野圭吾さんの作品は、エッセイも含めコンプリートしました。
中でも一番のお気に入りは
「白夜行」♪

 

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