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2018-11

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さくらももこ「まる子だった」

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小学生だった“あのころ”には、爆笑とともによみがえる、おかしな出来事がこんなにいっぱい。
お気楽で濃密なエッセイに、おまけのページも付いて、ちょっとうれしい一冊。



第二期三部作の二作目
このシリーズの表紙は手作り感いっぱいでアットホームな雰囲気。


「七夕祭り」は、一家で祭りを存分に楽しむ様子が伝わってきてほのぼの。

「はまじとの噂」は「あるある。小学生にはありがち~!」と笑った。

一番は「『うわの空』の詳細」
断トツに面白かった。
くだらなさすぎて(笑)
だけど自分もそうだったし、小中学校時代はくだらないことばかり考えてたなーと懐かしくて。


ほぼ同世代のさくらさん。
彼女のエッセイを読むと、「あの頃ああだったなぁ~」とすぐに「あの頃」が蘇ってくる。
自分もどちらかというと皮肉屋だったので大人に対して同じようなこと思ってたな、と。

でも親になってみるとそんな子供時代の記憶をすっかり忘れて大人目線でしか子供を見れなくなってる。
まる子の母そのものなんだよね。(自分が)
子育て時代にコレ読めてたら、もっと余裕を持って子供に接してたかも、と思った。


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桐野夏生「ロンリネス」

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タワーマンションに暮らす有紗は、同じマンションに住む高梨と急接近し、ママ友でW不倫中の美雨ママに相談をする。
やがて、有紗は高梨に強く惹かれていることに気づき…。
『VERY』連載を単行本化。「ハピネス」続編。




「ハピネス」でのママ友同士のドロドロが面白くて好きだったのに、男女のW不倫ドロドロ、がっつり恋愛小説じゃないか~

序盤は前作を思い出しながらだし、ママ友たちのその後も出てきたから、それでも楽しめた。
でも後半有紗高梨に話が絞られてからは興味半減・・・
破壊衝動だかなんだかしらないけど、勝手にしてくれ。

ほんとにみんな自分勝手でろくでもない親。
特に有紗の優柔不断さ、八方美人な感じにはムカつく。
とはいえ、こういうのってママ友時代には少なからず誰にもあるものだけどね。

親というより自分の性を優先してるところが気持ち悪い。
登場するのはタワーマンションに住むセレブたちだけど、こういうの(色欲)ってタワマンであろうが下町の長屋であろうが関係ないんだねー


美雨ママの最後の言葉、
「あたしたちを反面教師にして、子供たちにはすくすくと育ってほしいよね」
というのがあるけど、そうはならないはず。

子供が同性なら特に母親と同じ道を辿るだろう、という意地悪な考えしか浮かばなかった。
手放した雄大は男の子だし性格もよさそうだけど、花奈はずっと一緒にいる上に女の子だから、多分有紗のようになっていくんだと思う。
それが有紗の受ける一番の罰かな、と自分で自分を納得させた。


誰にも感情移入できなかったけど、それでも最後まで読ませる筆力はさすが。

宇佐美まこと「少女たちは夜歩く」

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誰もがこの魔界の罠にハマる!
狂気の恋に落ちた女子高生、不治の病に冒された男、死んだ人間が見える女など、街の中心にある城山の魔界にからめとられた人々。
この街で次々起こる不穏な事件の真相は…。ミステリー&ホラー。




めっちゃ好きなやつ~♪

連作短編集で少しずつ登場人物に繋がりが見えてくる。
初めの1,2話はピンと来なかったものの、話が進むにつれてページをめくる手が止まらなくなった。
「次はどんな話?」とワクワクしながら読み、読み終わってすぐにおさらいの再読。
(再読は私の”気に入った本”の基準)


最後まで主人公がわからない構成もいい。
出てくるすべての少女たちが主人公?

あの人の正体は割とわかりやすくどんでん返しはなかったけど、十分楽しめた。
いや、「楽しい」話じゃ決してないのだが。

暗くてジメジメして不気味でゾワッとして・・・そういう世界観。
ホラー要素強めのミステリーなんだけど、少しだけファンタジーも感じるというか。
宇佐美さんの世界を堪能した。

ただ私、酔芙蓉が好きなんだよね。
通勤途中の道に植えられていてシーズン中は毎日花を楽しんでるんだけど、これからは違った目で見てしまいそう。

中山七里「中山七転八倒」

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締め切り直前にトリックが使えないことが判明。
栄養ドリンクを一気飲みし徹夜で考え抜く…。
どんでん返しの帝王がプロットの立て方や原稿の進め方、編集者とのやりとりを赤裸々に告白する。
『ピクシブ文芸』掲載を文庫化。




”日記”だというのに一日分がかなり長くて、約1年半分だけどめちゃくちゃぶ厚い。
一冊の中にやたらと「プロット」という言葉が出てきて、中山氏の頭の中は作品のことしかないのだなぁ~と。
本当に作家さんは大変!

氏のルールとして、「自分から作家を名乗らない。」というのがあり、「作家」という呼称に強いこだわりを持っているのがわかる。
自他ともに作家と認識できるレベルというものをしっかり持っている人。


あと、「作家刑事毒島」にも出てきた図書館問題!
これには作家さん、出版社さんはかなり頭を悩ませてるご様子で。
”図書館ヤクザ”って言葉を作っちゃうくらいですもんね。
(注 本を買いもしないで批評するヤツとミステリーのネタバレをするヤツはただの営業妨害、の意)
耳が痛いけれど。


かなり筆が速い作家さんという印象だけど割と臨機応変というか編集者の要望に忠実。
ていうか、日記さえも商売の元としてしまうとは貪欲だな~
そしてタフ!
タフじゃないと作家なんて稼業、やってられないんでしょうね。


遊び心もあって、宗教の人が自宅を訪問した際に言い負かして追い返すという技を披露されてました(笑)
曰く、「どうしてこういう人たちは自分の話をしたがるくせに、他人の話を最後まで聞こうとしないのだろうか」とご立腹。
作家って寡黙なイメージだけど口も達者なんだな、と変なところで感心した。

斉藤詠一「到達不能極」

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2018年、チャーター機が南極に不時着。
望月拓海は物資を求め「到達不能極」基地を目指す。
1945年、ペナン島の日本海軍基地。訓練生の星野信之は、ある任務を言い渡される。
現在と過去、2つの物語が交錯し…。


第64回江戸川乱歩賞受賞作


昨年受賞作なしだったので待ってました~!

南極が舞台となるサスペンス仕立てのミステリ。
戦時中と現代の二つの時代を軸に繰り広げられる時空を超えた恋・・・
盛りだくさんな内容ながらきっちり描き分けできて混乱することもなかった。

この作者はかなりの実力者だと思います。
逆に、達者すぎて文章が少々飾り過ぎな気がしたくらい。


ラスト近くになり、急激にSFチックになるのだけど、理系オンチの私の頭にはちょうどいいレベルでした。
講評では「SF部分がひと昔前の作りで雑」と指摘されてたので、書籍化にあたり、少しは改善されたのでしょう。
その分野に詳しい人からすればまだまだ雑なんでしょうが、エンタメとして十分楽しめました。


台場大尉(←主人公ではない)が・・・・・涙
序盤からフラグ立ちまくってるし、戦争ものではありがちなんだけど・・・
わかっちゃいたけど、それでも涙でした。
あのシーンがすごくいい!


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プロフィール

きさらぎ

Author:きさらぎ
 
ミステリ・サスペンス小説が好き。
あと医療系も。

敬愛する東野圭吾さんの作品は、エッセイも含めコンプリートしました。
中でも一番のお気に入りは
「白夜行」♪

 

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