2017-03

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久坂部羊「テロリストの処方」

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医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。
医療勝ち組と負け組に患者が二分され、同じく医師も、高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。
日本の医療界全体を揺るがす陰謀が、うごめき出す―。傑作医療ミステリー!




結末読んで、「・・・・・だと思った」という感想(笑)
そう来ると思った。

しかし、主人公だけでなく、登場人物の人となりをほとんど描いてないし、ミステリーとしては反則かなと。

”医療の勝ち組&負け組の格差”という著者の主張は、現代の医療現場において的を射ていると思うけど、ミステリーの枝葉の部分があまりにお粗末。

・作中の医師たちのセリフがいちいち説明くさい。
・語りの部分も小難しい。
・死体が誰なのか、頭がこんがらがってまったく頭に入ってこなかった。
・なぜか主人公と奥さんの食事シーンは多い。これって意味あるの?

などなど、腑に落ちないことが多すぎて、読了までに時間がかかった。
その割に何も心に残らない。

久坂部羊作品はほとんど読んでるけど、残念ながらその中でも格段に面白くなかった。


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相場英雄「ガラパゴス」

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警視庁捜査一課継続捜査担当の田川信一は、身元不明のままとなっている死者のリストから殺人事件の痕跡を発見するが…。
ガラパゴス化した日本社会の矛盾を暴露する、危険極まりないミステリー。




読書メーターでかなり評価が高く、去年の年間ベストに入れてる読友さんも多かったので、ぜひとも読みたかった作品。
さすが評判は伊達ではない。
低価格を追求する自動車産業を舞台に、非正規雇用労働者の厳しい現状を描いた作品です。


この田川刑事って・・・そうなんだ。
大手スーパーの事件、というワードが何度も出てくるのでアレ?と思って遅まきながら気づいた次第。
食品偽装を扱った「震える牛」の続編なんですね。

一つの身元不明の遺体ファイルから、細い糸を手繰り寄せるようにじわじわと真相に迫る様子に痺れました。
同じ警察官でありながら、事件を追う者と隠蔽しようとする者…息が詰まる攻防。
ラストがイマイチすっきりしないけど、それもまた、日本の現状なんでしょうね。

やっぱりいい人って、この世を生き抜いていけないのかな~?
プロローグ、作中語られる被害者の優しい人柄、エピローグ・・・
哀しい思いが残ります。


思えば私が派遣で働いていた頃(なんと30年近く前!)は、一番いい時期だったんだな~。
働き口もたくさんあったし時給もよかった。
今や派遣労働者がこんな状況に追い込まれているとは思いもよりませんでした。

日本の社会に対する強いメッセージ性もありつつ、じっくり読ませる作品でした。

星野源「そして生活はつづく」

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どんな有名俳優にもロックスターにも地道な日常生活がある。何人たりとも、食器洗いから、トイレ掃除から、ごはん炊きから逃れることはできない! 苦手な〈生活〉をおもしろがろうと著者は試みた……。
くだらないのに涙こぼれる、21世紀の爆笑エッセイ。




恥ずかしながら、最近まで星野源さんと町田康さんを混同してました(;・∀・)

そもそもお二人の名前を知ったのは去年で、町田康さんの方が先でした(アメトークの読書芸人で)。
どちらも音楽やりながら俳優&文筆業、どれがメインかわからないという点でもそっくりだったので・・・
あくまで私の中で、です)

「逃げ恥」のおかげでやっと星野さんを認識することができ、流行に乗って本書を手にとりました。
何の予備知識もなかったけど、意外に文章が面白くて笑っちゃった。

ご本人曰く、漢字も算数も苦手のダメ人間らしい。

下ネタもたくさんあり、、かなり自由に書いてる感じ。
文章テクニックとか漢字とか、どのくらい編集や校正の方の手が入ってるんだろう???
そんなことを考えながらも共感できるところあり、笑えるところもありで楽しかった。

やっぱり文才があるんだろうなぁ。
先日読んだ作家さんのエッセイに比べれば断然面白かったです。

エッセイに何を求めるかは人によって違うけど、私は笑いや共感、バカバカしさを求めているので、この本はピッタリでした。

湊かなえ「山猫珈琲」

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好きなものは「山」と「猫」と「珈琲」。
これらのお陰で怒濤の10年を乗り越えることができました-。
デビューから10年分のエッセイをまとめる。
上巻は、『神戸新聞』『朝日新聞』ほか新聞連載と掌編小説を収録。




山猫珈琲って、変わったタイトルだなと思ったら、そういうことね!
自分の中で勝手に”山猫”で区切ってたら、山と猫と珈琲が好き、ってことでした。


エッセイを上下巻に分けるってどうよ?って思ってたけど、下巻に特別収録の応募原稿2作がとてもよかった。
湊さんって、初めは結構甘めのお話を描いてたんだな~

エッセイはご本人も仰る通り、同じ話が何度も出てきてちょっと物足りなかった。
(超真面目な内容だし)

小説は毒をまき散らしてるのに、実は至って普通の感覚の持ち主。
尿管結石とか親知らずの話など共通点も多かったし、お墓の話も興味があったからもっと聞きたかったのに・・・
上巻は、さらっと上っ面をなでるだけで終わってしまった印象。

下巻は湊さんの作家になるまでの足どりみたいなものもあって興味深かった。
森村桂、私も読んでたー!と懐かしさ&親近感。
そこからのトンガなのね。すごい行動力!

地方、しかも島に住んでいるというハンデをはねのけて小説にチャレンジしたこと、授賞式で急きょ手書きの名刺を作って編集者に配ったというエピソードなど、とても普通の主婦とは思えない。
おっとりした雰囲気とは大違いで、かなりのバイタリティーの持ち主だとお見受けしました。

家族の話はほとんど出てこなかったものの、旦那さんが湊さんの作品を全部読んでるというのが意外でした。
そして、”落書き”と謙遜してるけど、猫のイラストがいい味出してます。
旦那さんが描いたものらしいですが、こういったところで協力してくれてるのが微笑ましい。

あと、何度か引用されていた外国(アメリカ?)の絵本”とうもろこしおばあさん”が衝撃的だったので、オリジナル(の翻訳版)をぜひ読んでみたい。


白井智之「おやすみ人面瘡」

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全身に“顔”が発症する奇病が蔓延した日本。とある学校で殺人事件が起こり、真相を見抜いた男も、逆上した容疑者に殺された。
かと思いきや、死んだはずの男の身体に発症したいくつもの“顔”が喋り始め…。




ちょ…何、この設定?
全身に顔ができる人瘤病?
もうなんかワケがわからん世界…。
この作家さん、そういうのが多い。(・・・てか、そういうのばっか)


かなり過激でグロテスクな描写満載!
異常な世界すぎて、何が起ころうとどうでもいいと思えてくる。
わからなすぎて何度も読むの読めようと思ったけど、学校のシーンから、わからないなりに引き込まれました。


後半は二転三転。
基礎がわかってないのにどんでん返しされても…と焦ったが、強引に完結した感じ(笑)

でも終わってみれば、ちゃんと筋道立ってるんだよね。
伏線ありーの、推理合戦ありーので、無理やり納得させられた。

ともあれ、頑張って最後まで読んでみてよかったです。
荒唐無稽すぎて疲れたけどね(;^_^A

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プロフィール

chikura

Author:chikura
ミステリ小説が好きで、乱歩賞受賞作家を中心に読んでいます。
気に入った作家を続けて読むタイプですが、最近は新しい分野を開拓中。
但し、主に図書館・古本利用派のため、本のチョイスは古めです。

     ◇ ◇ ◇

敬愛する東野圭吾さんの作品は、エッセイも含めコンプリートしました。
中でも一番のお気に入りは
「白夜行」♪

 

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